この世には100%男女を産み分ける方法があります。
しかし、費用の問題と倫理的な問題でなかなか普及していないのが現実です。
ですが海外では普通に、現実に男女産み分け法は存在していますし、実際に行って成功しています。
その方法は、「着床前スクリーニング(PGS)」を用いた男女産み分け法です。
うちもどうしても女の子が欲しい理由がありますので、産み分けを行いたいと思っており、着床前スクリーニング診断を考えています。
詳しく見ていきたいと思います。
着床前スクリーニング(PGS)とは?
概要
着床前スクリーニングとは、体外で受精させた胚(胚盤胞)の染色体や遺伝子を検査することです。
着床前診断と呼ばれていることもありますが、結果を断定することはできませんので「スクリーニング」であるとされています。
スクリーニング:「審査」「選考」「ふるい分け」といった意味で用いられる表現です。
特定の条件などに照らして複数ある対象の中から条件に合致する対象を選別する、という動作を指します。
Weblio辞書より引用
着床前スクリーニングをすることにより、病気の可能性が低い子を産んだり、流産の可能性を低くしたり、男女がわかったりします。
京都大学の出しているパンフレットがわかりやすいです。
10年以上前ですが、概要はほとんど変わりません。
http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/gccrc/pdf/090918_a1_cyakusyoumae.pdf
メリット
元々、遺伝病や原因不明の流産を防ぐ目的で行う検査ですので、上記のメリットがあります。
ただし、確実に「診断」できるものではないので、必ず出生前診断とセットで行う必要があります。
男女がわかるのは、染色体の異常を調べるときに「ついでに」わかってしまいます。
デメリット
まだまだ実施数も少ないですし、わからないことも多い検査です。
100%ということはないので、高い費用をかけて検査したのに、結局はダメだった・・・ということもあるかもしれません。
また、わかってしまうことにより、悩んでしまったり、気に病んでしまったりすることもあるかもしれません。
胚盤胞まで成長するのがとても難しい
着床前スクリーニングには、5つのステップがあります。
1、2は通常の体外受精と同じです。
3は、することは同じで、卵を育てるのですが、育てる日数が長いです。
そこで、通常の体外受精なら、身体に戻せるレベルの良好受精卵であっても、検査に出すためにももっと成長させないといけません。
その成長した受精卵を胚盤胞といいますが、そこまで成長してくれる受精卵はとても少ないのです。
例えば、10個の卵子を採卵すると、8~9個の受精卵ができます。
そこから胚盤胞になるのは、よくて50%、つまり4個ほどです。
年齢を重ねるほどに、卵子の数も減りますし、受精する確率も減りますので、実際胚盤胞になるのは1、2個になるのではないでしょうか。
その貴重な胚盤胞をはじめて4の遺伝子検査にかけます。
その結果、良ければ5で胚移植することになります。
本当に、何の異常もない受精卵を身体に戻すのは、とてつもないくらい大変な確率を抜けていかなければなりません。
改めて、妊娠する、子どもを授かるということは奇跡的なことなんだと感じさせられます。
着床前スクリーニング(PGS)の費用と方法は?
主に3つあります。
1 病院で不妊治療として診断してもらう
一番正規のルートです。
国に承認されている病院で、不妊治療を受け、着床前スクリーニングが必要であると診断を受けます。
そして、日本産科婦人科学会に治療の一環であると認めてもらい、はじめて着床前スクリーニングが可能となります。
日本産科婦人科学会に承認してもらうのが、とてもハードルが高く、費用がかかるというよりは手間と時間がかかりすぎます。
2 自ら検査会社に診断してもらう
3つの中で最も簡単なルートです。
病院の協力も必要不可欠ですが、受精卵を検査会社に送付して診断してもらう方法です。
このルートの場合、課題が2つあります。
受精卵が胚盤胞まで成長するかどうか、とかの課題もありますが、とりあえず申込む上での課題は上記2つです。
自ら検査会社に出すといっても、受精卵をTEリムーバルして、細胞を切り出してもらわないといけませんので、そこまでは病院にしてもらわなければいけません。
また、検査結果は、検査会社が出してくれるだけなので、そのことについて病院と相談することは(基本的に)できません。
課題をクリアするためには、自ら検査会社に出しているけど、実際は病院も関与している、という状態にすることです。
かなりグレー領域ですし、そういったことを病院側がしてくれるかは疑問です。
協力してくれる病院がどこなのかも、ホームページを見るだけではわからないので、問い合わせるか通院するしかなさそうです。
費用としては、海外に凍結して受精卵を送付する場合は、受精卵1個につき50万円ほどかかるようです。
検査だけだと、8万円(税別)で行ってくれるところもあるようなので、検査会社に送付できるよう協力してくれる病院が見つかれば最適解になりそうです。
検査会社があるということは、そこに依頼する病院が必ずあるはずなので、絶対に可能な方法です。
3 男女産み分けが承認されている海外に行く
実際に行っている体験談が書かれたブログも見つかるほどメジャー(?)な方法です。
ハードルは低いかと思いますが、費用面と日程面が厳しくなります。
体外受精を行うので、1週間から10日間は海外に行かないといけないですし、費用も込み込みで100万円前後はするようです。
ただし、その間はホテル住まいで、海外旅行に行った気分になれるようなので、費用が問題ない人にとっては最適かと思われます。
あとは、海外での実施となるので、安全面も気になるところです。
日本の医療が最先端で絶対安全とは思いますせんが、やはり海外で手術のような施術をされるのには抵抗がある人も多いかと思います。
着床前スクリーニング(PGS)の倫理的な問題は大丈夫?
古い話ですが、クローン羊のドリーも問題になりました。
着床前スクリーニングも、「命の選別」につながるということで、倫理的な問題があるのではないかという意見もあります。
男女だけでなく、有用な遺伝子のあるなしを見て産めてしまうので、生まれる前から良し悪しを見てしまうことになってしまいかねません。
デザイナーズベイビーというみたいですが、確かにみんながそうしだすと大変なことになりそうですね。
元々、着床前スクリーニングは、遺伝病を調べるためのものですので、男女産み分けのためのみでの実施は認められていません。
過去には、未申請で医師会から追放されてしまった医師もいますが、そのときからは状況が変化しています。
遺伝病を調べるためには、積極的に使ってもいいことになっています。
日本産科婦人科学会(以下,本会)倫理委員会は,重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある遺伝子変異ならびに染色体異常を保因する場合,および均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産の場合に着床前診断(以下,本法)を実施する必要性を認め,その際に本会会員が順守すべき事項を,「着床前診断」に関する見解として示し,最近では平成30年6月に改定しました.
公益社団法人 日本産科婦人科学会ホームページより抜粋
費用と方法で説明した「1 病院で診断してもらう」方法になりますが、認定に時間がかかったりあまりにハードルが高いと思います。
医療行為をする時点で、倫理の問題が絶対に出てきますので、着床前スクリーニングもグレーゾーンとする医師が多いです。
しかし、夫婦間や担当医師と詳しく話し合い、1に該当しないでも2,3の方法で行える場合には、行っても問題ないのではないかと考えます。
着床前スクリーニング(PGS)を実際に行っている病院は?
着床前スクリーニングや着床前診断で検索すると都市圏だとけっこう出てきます。
大阪ですと不妊治療で有名なところは行っている感じですね。
大阪ニューアートクリニック
うめだファティリティクリニック
IVFクリニック
HORACグランフロント大阪
医療法人オーク会
どの病院も不妊治療で有名ですし、着床前スクリーニングを行う場合は、不妊治療の一環で行うことが多いようです。
若く健康で不妊ではないが、男女産み分けだけしたいというカップルでも対応はできるでしょうが、不妊治療と同様の手順を踏まなければならないためハードルが少し高いようにも思います。
もっと小さな町医者でもできる技術ではありますが、国から承認されていなければなりませんし、そもそも産み分けだけにこの技術を用いるのが困難かと思われます。
上記の病院でも、声を大きくして着床前スクリーニングで産み分けしてます!とは言えないでしょう。
したがって、結局は、産み分け相談で来院し、確実な方法が実施可能かどうか、各医院に問い合わせるしかなさそうです。
別記事にて、実際に私たちが行った方法について書いていきたいと思います。