ジュニア専門コース(J専)に行くとなると、電子ピアノではなくアコースティックピアノ(アップライトピアノ、グランドピアノ)が必要であると言われます。
電子ピアノと比べると、「高額」で、「本体は大きく」なり、「音も大きく」なります。
お金の問題はどうにかするしかありませんが、本体を置く場所と防音(騒音)問題について考えなければなりません。
難しい問題ではありますが、詳しく考えていきます。
マンションでアップライトピアノの購入は可能?
可能・・・です。
まず最初に確認しなければならないのは、マンションの管理規約です。
大抵の管理規約には、騒音に関する事項があると思いますので、そこをチェックしましょう。
マンション管理規約で「禁止」されている場合
管理規約内に「楽器禁止」やそれと同等の文言があれば、そこで終了です。
乗り越えるためには、管理会社に連絡し、防音室を作成するなど大掛かりな工事が必要かと思います。
さすがに厳しいため、管理規約で禁止されている場合は、アップライトピアノをあきらめるか引っ越すしかないかと思います。
マンション管理規約で楽器使用が認められている場合
楽器使用可をうたっているマンションであれば、管理規約内で認められているかもしれません。
その場合は、管理規約に沿って対応すれば大丈夫です。
ただ、通常のマンションでは、なかなか文書で認めるとは書かれてないかと思います。
マンション管理規約で禁止まではされていない(明記されていない)場合
このパターンが一番多いかと思います。
はっきりと書かれていない場合でも、騒音に関する苦情はとても多いと考えられるため、対策を取らなければなりません。
気にするべき点は以下の2点です。
マンションですと、隣の部屋との壁がどれくらい厚さがあるかどうか、そこに防音対策を足していくということになります。
壁の厚さは、建築図面には必ず載っていると思いますので、手持ちにない場合は、管理会社に問い合わせてみましょう。
ちなみに最近のマンションの壁の厚さは、180mm程度が一般的であり、壁のつくりにもよりますが人の声は気にならない程度の防音性能だそうです。
200mm以上の壁の厚さがあれば最適ですが、180mmでも少し対策をすれば大丈夫だと思われます。
また、いくら防音対策をしていて最小限の音しか聞こえなかったとしても、非常識的な時間に響いてはよくありません。
周りのご家庭の環境がわかりかねますが、おおむね8時から20時までの間に留めておいたほうがいいでしょう。
電子ピアノからアップライトピアノに買い替えるにあたって考えること
いろいろ考えることはありますが、主に以下の3点が問題になってくるかと思われます。
・費用
機種を選ぶうえで一番問題になってくるかと思います。
費用の問題を考えなければ、最高レベルの機種を選べばいいのですが、そうもいきません。
機種については、深く悩んだところですので、後程詳しく書きたいと思います。
・場所
アップライトピアノといえど、電子ピアノより大きくなります。
高さもそこそこ出てしまうので、置き場所の確保は考えないといけません。
マンションであれば、重さで底が抜けるということはないはずなので、重さに関しては考える必要はありません。
防音を考えるのであれば、内側に音が飛ぶような配置にするか、部屋のど真ん中がいいのですが、難しいですよね。
できる限り、音が響いてしまわないような場所を考えましょう。
・音(防音、騒音)
費用の問題をクリアして、いざ購入へ!と気持ちが向いたときに重くのしかかってくる問題が音の問題です。
一軒家でお隣が離れている、とかなら全然問題ないのですが、そんなことはなかなかないかと思います。
マンションであれば、どれだけ配置を気にしても、どうしてもピアノの音が響いてしまいます。
騒音問題に発展しない、そのために防音対策は必須です。
防音に関しても深く悩みましたので、後述したいと思います。
アップライトピアノの機種はどれがいい?主に費用と性能から考える
まず機種以前に、どの会社のピアノにするか決めなくてはなりません。
これに関しては、ヤマハのレッスンを受けている関係で、ヤマハから選ぶとしたら、ということで考えていきます。
ヤマハのアップライトピアノには、主に3つのシリーズがあります。
シリーズの中で、さらに高さが分かれており、そこにサイレント機能などのオプションをつけることができます。
価格は、何度か値上げされているので執筆時点での目安です。
・bシリーズ(50万円~)
ビギナーシリーズです。
後述のYUシリーズとほとんど変わらない性能なのですが、安価に手に入るシリーズになっています。
安い理由は、作成が日本ではなく、インドネシアという点です。
日本国内での作成ではないといっても、きちんとヤマハの認定工場で作られますし、チェックもされます。
品質という面では、日本国内作成品と大差ないとのことです。
また、YUシリーズに比べて譜面立てなどの細かな部分が簡素化されているようです。
高さは113cmと121cmの2種類あり、低いほうが安価です。
アップライトピアノは、高いほど音の伸びがよくなるため、音の質がよくなるようですが、その分高くなります。
最近また値上げがあったようですが、それでもアップライトピアノの中では安価で手に入りやすくなっています。
・YUシリーズ(80万円~)
一般的なモデル?です。
日本製にこだわるならばこのシリーズですが、ここまで出すならYUSシリーズにしたほうがいいのでは、と思ってしまいます。
bシリーズからの値上げ幅に見合ってない気がしました。
・YUSシリーズ(120万円~)
ヤマハアップライトピアノでの最高モデルシリーズです。
場所などの問題でグランドピアノが入らないのであれば、このシリーズから選ぶのが最善だと考えられます。
しかし、bシリーズから考えると・・・高い。
bシリーズでも安い車なら買えちゃいますが、YUSシリーズだと余裕で買えちゃいます。
中古ピアノでもいいお値段がしますが、逆に言うと何十年後も価値があるほどいいものでもあるということです。
本当に長い間ピアノを弾くことがわかっていて、初期投資できる資金があるなら、このシリーズから選ぶのがよいでしょう。
ちなみにお店で試し弾きしたら、やっぱりいい音な気がする・・・(素人すぎてよくわからない)
いや、bシリーズもピアノ!って感じでめちゃくちゃいいんですよ。
電子ピアノと比べるとやっぱり違うなぁと。
でも、鍵盤の押しやすさ?弾きやすさ?はYUSのほうがいいような気がします。
ピアノ素人なので、気持ちの問題しかわからないです、ごめんなさい。
・オプション(サイレントピアノ)
どのシリーズにも、特別な機器をつけることでサイレントピアノにすることができます。
価格は20万円ほどして、とても効果ですが、音が気になる時間でも弾くことができるようになるため、マンションでは必須かもしれません。
音は電子音になってしまうため、電子ピアノがアップライトピアノとは別に設置できるのであれば、電子ピアノ自体を置いたほうが安くなります。
場所の問題でピアノ2台置くのは厳しい、でも朝や夜も練習したい、という場合には視野にはいるかと思います。
マンションにおけるアップライトピアノの防音対策
壁の厚さがどうとか書きましたが、どうしてもマンションだと防音対策は必要になってきます。
何もしなくても大丈夫かもしれませんが、しているに越したことはないかと考えています。
もしあってはならないですが、騒音問題になった際に、何も対策していないのとしているのでは、問題発生後の動向に差が出ると思われます。
ピアノの音は、ピアノ背面から主に出ます。
音は、うしろ方向に一番大きく飛びますが、実際は同心円状に広がっていきます。
したがって、上下左右あらゆる方向に対策をしなければならないということです。
・階下
下にも?と思うかもしれませんが、下には音そのものというより鍵盤を叩く打撃音が響きやすいそうです。
ですので、電子ピアノやサイレントピアノでも問題になることがあります。
そのため、防音機能のあるカーペットなどを敷きつつピアノの足にインシュレーターと呼ばれる固定具を置くことをおすすめします。
カーペットなどは、防音機能が明記されているものが望ましく、防音性能の高いものほど分厚くなっているため注意が必要です。
インシュレーターは、簡単なものは付属していますが、ゴム製の防音機能が高いものについては別途購入する必要があります。
組み合わせることで、かなりの音が軽減できると考えられますので、おすすめです。
側面(となり)
一番気になるところですね。
生半可な対策だと意味がないとのことで、本当は壁を分厚くするのが一番いいのですが、DIYの範疇を超えてしまいます。
簡単なところですと、防音性能のあるものを壁にペタペタ張ったりすることがあります。
しかし、楽天市場などでもこもこしたウレタン素材の吸音材がありますが、それだけだと意味がありません。
吸音材に加えて遮音材を組み合わせないと、防音にはならないらしいので、最低でも2種類を組み合わせないといけません。
少々値が張りますが、こちらの商品だと予め組み合わされているため、とても便利です。
我が家でもこちらを壁側に貼ることによって、防音性能を高めることを考えています。
天井
天井も音が飛ぶのですが、対策をするのがめちゃくちゃ難しいです。
吸音材を貼ることもできますが、落ちてくるのもこわいですし、天井はあきらめるしかなさそうです。
どうしても気になるのであれば、万が一落ちてきても大丈夫な素材のものを貼るのがいいかと思います。
まとめ
いろいろ検討した結果、我が家ではbシリーズの121cmタイプを購入することにしました。
bシリーズでも十分にアコースティックピアノとして機能し、電子ピアノとの違いを感じられます。
少しでも音の幅を持たせようと、b113ではなくb121にしました。
電子ピアノはすでに持っていたのですが、場所の関係で2台設置は難しかったため、電子ピアノは売却しサイレントピアノにしました。
bシリーズでもサイレント機能をつけると、本当に車が買える金額くらいになって驚愕です。
今後末永く、1年当たりで考えたら安い!と思えるくらい使用していってもらいたいものです。